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157件
- 解説市川宗家とは市川宗家とは、成田屋・市川團十郎家を指す呼称です。歌舞伎には他の芸道のような「家元」の呼称がなく、その芸の正統を伝える本家として團十郎の家を「市川宗家」と呼んできました。初代の荒事、七代目の歌舞伎十八番、そして九代目に確立した宗家の位置づけを受け継ぐ家を指します。
- 解説市川宗家とは何ですか?市川宗家とは、成田屋・市川團十郎家を指す呼称です。初代市川團十郎が創始したとされる荒事、歴代の團十郎に伝わる歌舞伎十八番、團十郎の名跡などを受け継いできた本家を意味します。
- 解説なぜ市川團十郎家は「市川宗家」と呼ばれるのですか?初代市川團十郎が荒事を創始し、市川團十郎家が元禄期以来、荒事によって江戸歌舞伎を牽引してきたこと、さらに七代目が家に伝わる芸と演目を歌舞伎十八番として体系化したことなどから、成田屋・市川團十郎家は歴史的に「市川宗家」と呼ばれてきました。
- 解説市川宗家は歌舞伎界全体の家元なのですか?歌舞伎には、他の芸道のような「家元」という呼称や制度はなく、團十郎の家を「市川宗家」と呼んできました。宗家は歌舞伎界全体を制度的に統括する立場ではなく、ほかの家との優劣を示す呼称でもありません。ただし、市川宗家に伝わる歌舞伎十八番の演目を他家の俳優が勤める際に「市川宗家の許しを得て」と述べる習わしが伝えられるなど、家の芸に対する敬意は今日まで受け継がれています。
- 解説ほかの家の俳優が歌舞伎十八番を上演することはありますか?あります。歌舞伎十八番は市川宗家に伝わる演目群ですが、ほかの家の俳優が勤めることもあります。その際には「市川宗家の許しを得て——」と述べる習わしが、明治期に九代目市川團十郎が宗家としての権威を確立して以来、伝えられてきたとされます。
- 解説成田屋とは何ですか?成田屋は、市川團十郎家の屋号です。初代市川團十郎が成田山新勝寺の不動明王に子を授かるよう祈願したという縁に由来するとされ、客席から役者にかける掛け声「成田屋!」としても親しまれています。
- 解説D-13の「13」には、どのような意味がありますか?D-13の「D」はDANJURO、「13」は十三代目を表します。市川宗家に受け継がれてきた歌舞伎を、十三代目の視点と言葉で現代と世界へ伝えるという意志を込めています。
- 公演 · 2026歌舞伎座 七月大歌舞伎親子三人が同じ舞台に立った2026年7月の歌舞伎座公演。千穐楽を終え、記録をアーカイブとして残します。
- 公演 · 2026『伝承への道』親子巡演親から子へ、芸を手渡す旅。團十郎・ぼたん・新之助の親子三人が、金沢から大阪まで全国6都市をめぐる巡演です。「継ぐ」という歌舞伎の核心が、ひと夏の旅の形になります。
- 公演 · 2026映画『SHUMEI』ヴェネチア国際映画祭上映映画『SHUMEI』がヴェネチア国際映画祭で上映されます。歌舞伎の「襲名」という営みが、世界の観客の前に開かれる——歌舞伎を世界共通言語へ運ぶ、大きな一歩です。
- 公演 · 2026映画『襲名』特別先行上映+プレミアムトーク全国公開に先がけて、山梨・ハイランドリゾートで映画『襲名』を特別先行上映。上映にあわせたプレミアムトークも行われます。
- 公演 · 2026ABMORI in きそまち「森も芸も、未来へ渡す」。自然と文化、ふたつの継承を重ねるプロジェクトABMORIが、長野県木曽町で開催されます。
- 公演 · 2026映画『襲名』全国公開映画『襲名』が全国公開。「襲名とは何か」「継承と個」「親子」——歌舞伎の核心にある問いを、劇場のスクリーンから受け取れます。
- 公演 · 2026京都・南座 市川團十郎特別公演京都・南座に團十郎父子が揃う特別公演。昼は歌舞伎十八番の代表格『勧進帳』、夜は父子で立つ荒事『大力天無双』ほか。初めての南座にもふさわしい、格と熱の一か月です。
- 公演 · 2026歌舞伎座 十二月大歌舞伎歌舞伎座の一年を締めくくる十二月大歌舞伎。『與話情浮名横櫛』で團十郎の与三郎に、坂東玉三郎のお富が並び立ちます。江戸の粋と名台詞を、年の瀬の歌舞伎座で。
- 人物市川團十郎荒事を家の芸とする市川宗家の当主。歌舞伎を、世界へひらく。
- 人物市川ぼたん舞踊で舞台に立つ、成田屋の長女。
- 人物市川新之助父と同じ舞台で名を継いだ、成田屋の長男。
- 用語荒事初代市川團十郎が創始したとされる勇壮な演技様式。隈取や巨大な衣裳、大きな見得によって、人間を超えた力と正義を表現する。
- 用語見得感情と力が頂点に達した瞬間、役者が動きを止めて決める様式的なポーズ。ツケの音とともに、舞台が一枚の絵として完成する。
- 用語隈取役柄の内面を色と線で顔に描き出す歌舞伎独特の化粧法。紅は正義や勇気を、藍は敵役や超自然の力を表すとされる。
- 用語花道客席を貫いて舞台へ延びる通路状の舞台機構。役者の登場と退場を見せ場に変え、観客と役者の距離を一気に縮める。
- 用語押戻し暴れ狂う怨霊や妖怪を、荒事の勇者が花道で押し戻す様式的な場面・役柄。歌舞伎十八番の一つにも数えられる。
- 用語十八番市川宗家が家の芸として選んだ十八の演目「歌舞伎十八番」。転じて、得意なものを指す言葉「おはこ」の語源になったとされる。
- 用語襲名先人の名跡を受け継ぐこと。単なる改名ではなく、その名に宿る芸と歴史、そして未来への責任を引き受ける人生の節目。
- 用語屋号歌舞伎役者の家に代々伝わる、家の呼び名。市川團十郎家の屋号は「成田屋」。劇場では観客の掛け声としても響く。
- 用語女方女性の役を専門に演じる男性俳優。写実の模倣ではなく、様式化された美によって歌舞伎独自の女性像を舞台に立ち上げる。
- 用語ツケ舞台の上手で木の板を打ち鳴らし、走る足音や見得の瞬間を強調する効果音。役者の呼吸と一体になり、場面を引き締める。
- 用語定式幕黒・柿・萌葱の三色を縦に縫い合わせた歌舞伎の引き幕。開幕と閉幕を告げる、歌舞伎劇場を象徴する意匠である。
- 用語押隈舞台を終えた役者が、顔の隈取を布や紙に押し当てて写し取ったもの。その日、その役を生きた身体の記録として残される。
- 用語傾く常識に対して「傾く」、型にはまらず自分の色で堂々と生きること。「かぶき者」に由来し、歌舞伎の語源とされる言葉。
- 用語睨み両の眼に力を込めて見込む、市川團十郎家だけに許されるとされる特別な芸。睨まれると一年間無病息災で過ごせると伝わる。
- 用語型長い上演の歴史の中で磨かれ、家や名優ごとに受け継がれてきた演技・演出の定型。継承と創造を支える歌舞伎の土台である。
- 用語和事上方で生まれた柔らかく優美な演技様式。恋する男の繊細な心情をつややかに描き、江戸の荒事と対をなすとされる。
- 用語時代物武家や公家の社会、遠い過去の出来事を題材とする演目の総称。様式美豊かな大きな演技で、歴史の世界を舞台に立ち上げる。
- 用語世話物江戸時代の庶民の暮らしや市井の事件を描く演目の総称。恋と義理に揺れる等身大の人間を、身近な言葉と風俗で写し取る。
- 用語所作事音楽に乗せて舞踊を中心に見せる演目。振事とも呼ばれ、女方の芸から発展して、道成寺物や松羽目物など多彩に花開いた。
- 用語松羽目物能・狂言に取材し、能舞台を模した松の羽目板の前で演じる格調高い演目。七代目團十郎の『勧進帳』が始まりとされる。
- 用語だんまり暗闇の中、登場人物たちが無言で互いを探り合う様子を様式化した場面。観客にはすべてが見えるという約束事の上に成り立つ。
- 用語道行旅する二人の道のりを、風景と心情を重ねながら描く舞踊の見せ場。多くは恋人たちの旅で、道中の時間そのものが詩になる。
- 用語六方手足を大きく振り、力強く踏みしめて進む様式的な歩みの演技。『勧進帳』の弁慶が花道を引っ込む飛び六方が名高い。
- 用語宙乗りワイヤーで吊られた役者が客席の上空を飛んで移動する演出。幽霊や妖怪、狐など人ならぬ役に用いられ、劇場全体が舞台になる。
- 用語早替わり一人の役者が同じ場面の中で複数の役を瞬く間に替わって演じ分ける演出。速さとともに、演じ分けの確かさが命とされる。
- 用語引抜仮縫いの糸を後見が抜き、観客の目の前で衣裳を一瞬にして別のものに変える仕掛け。舞踊の途中で舞台の色が塗り替わる。
- 用語ぶっ返り上半身の仮縫いを解き、衣裳を腰から返して一瞬で姿を変える仕掛け。隠していた本性を顕す「見顕し」の場面で用いられる。
- 用語立廻り戦いや捕物など闘争の場面を、下座音楽に乗せて様式化した集団演技。主役に大勢が絡み、要所で見得が決まる。
- 用語トンボ立廻りで斬られたり投げられたりした役が返る宙返り。「トンボを返る」といい、歌舞伎俳優の基本の身体技術とされる。
- 用語ケレン宙乗りや早替りなど、観客の意表をつく奇抜な演出の総称。漢字では「外連」と書き、スピードとスリルを重んじる。
- 用語人形振り俳優が人形浄瑠璃の人形の動きを模して演じる演出。人形遣いに扮した後見が付き、娘役の激情の場面などに用いられる。
- 用語クドキ義太夫狂言や舞踊で、女性の登場人物が切ない心情を切々と訴える場面。女方が中心となる聞かせどころ・見せどころ。
- 用語花四天華やかな所作事や時代物の立廻りに出る捕手や軍兵の役、またその衣裳。花模様の四天をまとい、花枝や花槍を手にする。
- 用語義太夫狂言人形浄瑠璃のために書かれた作品を歌舞伎に移した演目の総称。竹本の語りが劇を進め、丸本物とも呼ばれる。
- 用語白浪物盗賊を主人公とする演目の総称。幕末に流行し、河竹黙阿弥が代表的な作者とされる。『白浪五人男』が名高い。
- 用語怪談物幽霊や妖怪が登場する演目の総称。夏の狂言として親しまれ、鶴屋南北の『東海道四谷怪談』が代表作とされる。
- 用語生世話物世話物の中でも特に写実性の強い演目。文化・文政期以降の江戸歌舞伎で発達し、市井の風俗や人間を生々しく描き出す。
- 用語新歌舞伎明治後期から昭和初期に、劇場に所属しない作者たちが書いた歌舞伎作品の総称。近代的な人間像を歌舞伎の手法で描く。
- 用語通し狂言一つの作品を序幕から大詰まで通して上演する形式。名場面だけを選んで並べる「見取り」と対をなす言葉である。
- 用語廻り舞台舞台の床を円形に切り抜いて回転させる機構。前で芝居を続けながら裏で次の場面を仕込み、回転ひとつで世界を転換する。
- 用語セリ舞台の床の一部を切り抜き、俳優や大道具を載せて上下させる機構。上げるのを「せり上げ」、下げるのを「せり下げ」と呼ぶ。
- 用語すっぽん花道の七三にある小型のセリ。妖術使いや妖怪、幽霊など、人間を超えた存在の登場と退場のために使われるのが約束である。
- 用語仮花道本花道と反対の上手側に、演出に応じて仮設されるもう一本の花道。二本を併用する両花道では、劇場全体が物語の空間になる。
- 用語緞帳上下に開閉する幕。左右に引く定式幕に対する言葉で、歌舞伎では主に舞踊や新歌舞伎・新作歌舞伎の幕明きに用いられる。
- 用語黒衣黒い衣裳と頭巾で全身を包み、舞台の上で俳優を助ける係。「黒は見えないもの」という歌舞伎の約束事に支えられている。
- 用語後見舞台の上で俳優の演技を助ける役。小道具の出し入れや衣裳の引抜きを担い、多くは演者の門下の俳優が務めるとされる。
- 用語床山俳優の鬘を役に合わせて結い上げ、日々の手入れから楽屋での掛け外しまでを担う職人。鬘に命を吹き込む、頭の専門家である。
- 用語鬘役の身分や年齢、職業を髪型で示す歌舞伎の鬘。江戸時代の髪型の決まりを土台に、役柄ごとの型が細かく定められている。
- 用語大道具山や海の背景、建物や木、岩など、舞台に据えられる大がかりな装置の総称。廻り舞台やセリなどの舞台機構もその一部に数えられる。
- 用語小道具俳優が手に持ち身につける持ち道具と、あらかじめ舞台に据えられる置き道具の総称。刀や傘から掛け軸まで、芝居の細部を支える。
- 用語柝四角く削った二本の木を打ち合わせて鳴らす音具。一般には拍子木と呼ばれ、幕明きや幕切れなど芝居全体の進行を司る。
- 用語黒御簾舞台下手にある、黒い御簾を掛けた小部屋。中では唄や三味線、鳴物が芝居に合わせて演奏され、その音楽は下座音楽と呼ばれる。
- 用語正念場ここぞという大事な局面を指す言葉。役の本質を見せる場面「性根場」に由来するとされ、歌舞伎から日常語になった。
- 用語守破離芸道や武道の修業の三段階を示す言葉。師の型を守り、やがて破り、最後に離れて独自の境地へ至る。利休の道歌に由来するとされる。
- 用語長唄江戸で歌舞伎とともに発達した三味線音楽。唄と細棹三味線を中心に、舞踊の伴奏から情景の描写まで歌舞伎の舞台を支える。
- 用語竹本歌舞伎の舞台で演奏される義太夫節のこと。太夫の語りと太棹三味線が、人形浄瑠璃由来の演目の情景と心理を描き出す。
- 用語三味線撥で弾く三弦の楽器で、歌舞伎音楽の中心。棹の太さで細棹・中棹・太棹に分かれ、長唄や義太夫節など流派ごとに使い分けられる。
- 用語大向う見得や登場の瞬間に、客席後方から「成田屋!」などと屋号を呼ぶ掛け声、またその掛け手。舞台と客席をつなぐ歌舞伎独特の文化。
- 用語口上舞台の上から観客へ向けて述べる正式な挨拶。襲名披露では独立した一幕として設けられ、裃姿の俳優が並んで志を申し上げる。
- 用語千穐楽興行の最終日。雅楽の曲名に由来するとされ、劇場では火事を避ける縁起から「秋」の字に代えて「穐」を用いる習わしがある。
- 用語一幕見席歌舞伎座4階に設けられた、好きな一幕だけを選んで観られる席。手頃な料金で、歌舞伎を気軽に体験できる入口として親しまれる。
- 用語番付・筋書芝居の演目・配役・あらすじなどを載せた冊子。江戸時代の番付に始まり、今日の劇場プログラム「筋書」へと受け継がれている。
- 用語イヤホンガイド舞台の進行に合わせて、あらすじや約束事、音楽などを同時に解説する音声サービス。1975年に歌舞伎座で始まったとされる。
- 用語名題歌舞伎俳優の階級の一つで、幹部俳優の格。資格審査に合格し、昇進披露を経て名題となる。それ以外の俳優は名題下と呼ばれる。
- 用語梨園歌舞伎界を指す雅称。唐の玄宗皇帝が梨の園で音楽や演劇を自ら教えた故事に由来するとされ、江戸時代から用いられてきた。
- 用語立役歌舞伎で男の役、またはそれを専門に演じる俳優のこと。女方と対をなし、狭義には敵役に対する善人の男役を指す。一座の中心を担う存在とされる。
- 用語敵役芝居の中で主人公に立ちはだかる悪人の役柄。国の転覆を謀る「公家悪」、写実的な「実悪」などの類型があり、善玉を大きく引き立てる。
- 用語傾城城を傾けるほどの美女の意から生まれた、最高位の遊女の呼び名。歌舞伎では『助六』の揚巻など、気品と誇りを備えた女方の大役として描かれる。
- 用語名跡代々受け継がれてきた由緒ある名前のこと。歌舞伎の名前は芸と歴史の器であり、襲名によって次の世代へと手渡されていく。
- 用語お家芸その家が代々得意として受け継いできた芸。歌舞伎十八番を定めた市川宗家の荒事が代表格で、日常語「お家芸」の源にもなったとされる。
- 用語初舞台芸名を名乗り、俳優として初めて正式に舞台を踏むこと。歌舞伎では幼少期に踏むことが多く、役者人生の出発点となる大切な節目である。
- 用語曽我物父の敵を討った曽我兄弟の物語を題材とする作品群。江戸歌舞伎では毎年正月に曽我狂言を必ず上演する慣習があったとされる。
- 用語石橋物能『石橋』に取材し、獅子の精が長い毛を振って勇壮に舞う舞踊作品の総称。『鏡獅子』『連獅子』などの大曲が連なる。
- 用語顔見世年に一度、新しい顔ぶれの一座を観客に披露する興行。江戸時代は十一月に行われ、劇場の最も重要な年中行事とされた。
- 用語隈取の色隈取は色が役柄を語る。紅は正義や勇気、藍は敵役や怨霊、茶は鬼や妖怪と、色を見れば人物の正体が分かる仕組みになっている。
- 用語三升市川團十郎家の定紋。大・中・小三つの升を入れ子に重ねた意匠で、初代が贈られた三つの升に由来するともされる縁起の紋。
- 用語團十郎茶市川團十郎家ゆかりの柿色系の伝統色。五代目が『暫』で柿色の素襖をまとって流行したとされ、今も成田屋を象徴する色である。
- 用語白猿五代目團十郎の俳名に由来する号。名人にはなお及ばないという謙遜を込めたとされ、当代十三代目も「白猿」を名乗る。
- 用語櫓芝居小屋の正面上に組まれた構造物。幕府公認の劇場だけが掲げることを許され、興行権の象徴とされた。今も顔見世の吉例に残る。
- 用語江戸三座江戸で興行を公認された中村座・市村座・森田座の三つの芝居小屋。明治に至るまで江戸歌舞伎の中心であり続けた。
- 用語座頭一座の頂点に立つ俳優。人気だけでなく実力を兼ね備え、江戸時代には舞台のことに加え一座の運営にも大きな力を持ったとされる。
- 用語千両役者一年の給金が千両に達するほどの人気と実力を備えた役者。二代目市川團十郎が最初の千両役者の一人とされる。
- 用語桟敷客席の左右に一段高く設けられた特別席。古代の祭礼の見物台に由来するとされ、江戸の芝居小屋から今の歌舞伎座に受け継がれる。
- 用語幕間一幕が終わり次の幕が開くまでの休憩時間。読みは「まくあい」。食事や語らいも含めて芝居見物の楽しみの一部とされてきた。
- 用語楽屋出演者が支度をし休息する舞台裏の部屋。雅楽の演奏の場に由来するとされ、江戸の芝居小屋では格による部屋割りがあった。
- 用語勘亭流歌舞伎の看板や番付に用いられる、太く丸みのある芝居文字。客席が隙間なく埋まるよう願い、余白を残さず内へ入る筆法で書く。
- 用語市川宗家成田屋・市川團十郎家を指す呼称。初代が創始したとされる荒事、七代目が体系化した歌舞伎十八番、團十郎の名跡を受け継いできた本家を意味する。
- 用語奈落舞台や花道の床下に広がる空間。地獄を意味する仏教語に由来するとされ、日常語「奈落の底」もここから生まれた。
- 用語黒幕舞台で夜や闇を表し、場面転換にも使う黒い幕。転じて、表に出ずに陰で指図する人物を指す日常語になったとされる。
- 用語差金作り物の蝶や小鳥を操る黒塗りの細い竿。人形浄瑠璃では人形の腕を動かす棒を指し、陰で人を操る意味の日常語に転じた。
- 用語二枚目芝居小屋の看板の二枚目に色男役の名を掲げたことに由来するとされる言葉。転じて、美男子を指す日常語となった。
- 用語三枚目芝居小屋の看板の三枚目に道化役の名を掲げたことに由来するとされる言葉。転じて、こっけいな役回りの人を指す。
- 用語幕の内芝居の幕間に食べる弁当として考案されたことに由来するとされる言葉。白飯と彩り豊かなおかずを詰め合わせた弁当を指す。
- 用語大詰芝居の最終幕のこと。江戸歌舞伎では時代物の最終幕を指したとされる。転じて、物事の最終局面を指す日常語になった。
- 用語幕切れ一幕が終わって幕が閉まること、またその場面。転じて、物事の結末や終わり方を指す日常語として使われる。
- 用語こけら落とし新築・改築した劇場で初めて行う興行。工事の最後に屋根などの木くず「杮」を払い落としたことに由来するとされる。
- 用語板につく役者が経験を積み、芸が舞台の床板にしっくり調和すること。転じて、職業や役割が身についてさまになる意味の日常語に。
- 用語檜舞台檜の板で床を張った格式の高い舞台。江戸時代は限られた芝居だけに許されたとされ、転じて晴れの場所を指す日常語になった。
- 用語花形華やかな芸風で人気のある役者を指す言葉。「実方」と対の「花方」に由来するとされ、各界の人気者を指す日常語に広がった。
- 用語捨て台詞台本になく、役者がその場で即興的に言う短い台詞。転じて、去り際に言い放つ負け惜しみの言葉を指す日常語となった。
- 用語修羅場激しい戦いが演じられる場面。阿修羅と帝釈天が闘う場を指す仏教語に由来し、浄瑠璃や講談で戦いの場面を指す言葉となった。
- 演目勧進帳兄・頼朝と不和になった源義経は、山伏に姿を変え、弁慶ら家臣とともに北国へ落ちのびようとしている。
- 演目暫権力を握る公家・清原武衡は、意に従わない善良な人々を捕らえ、今まさに首を刎ねようとしている。
- 演目助六由縁江戸桜江戸・吉原。粋を極めた俠客・助六は、廓一番の花魁・揚巻の恋人であり、連日喧嘩に明け暮れている。
- 演目外郎売大磯の廓に、小田原名物の妙薬「外郎」を売る行商人が現れる。
- 演目鳴神高僧・鳴神上人は、朝廷への恨みから龍神を滝壺に封じ込め、国中を日照りに陥れている。
- 演目與話情浮名横櫛江戸の大店の若旦那・与三郎は、木更津の浜で美しいお富と出会い、ひと目で恋に落ちる。
- 演目不破伊達男・不破伴左衛門と名古屋山三は、一人の遊女をめぐって張り合う恋敵の間柄である。
- 演目不動市川宗家が代々信仰してきた成田山新勝寺の不動明王が、そのまま舞台に顕現する演目である。
- 演目嫐「嫐」の一字が示すのは、一人の男をめぐる二人の女の争い。本妻が後妻を襲う古い風習「うわなり打ち」を題材にするとされる。
- 演目象引豪傑と敵役が、一頭の巨象を両側から引き合って力くらべをする——趣向そのものを題名にした荒事である。
- 演目押戻暴れる怨霊や妖怪を、青竹を手にした豪傑が花道で受け止め、本舞台へと押し戻す——「押戻」は演目名であると同時に、役と演出の名でもある。
- 演目矢の根正月。曽我五郎は、父の敵・工藤祐経を討つ日に備え、砥石で巨大な矢の根を勇ましく研いでいる。
- 演目関羽『三国志演義』の豪傑・関羽が歌舞伎の舞台に登場する、異国の英雄を主人公とした珍しい荒事である。
- 演目景清平家滅亡ののち、勇将・悪七兵衛景清は源氏方に捕らえられ、牢に押し込められている。
- 演目七つ面箱から面を取り出しては掛け替え、面ごとの所作を演じ分けたと伝わる、「変化」の趣向の演目である。
- 演目毛抜小野春道の館。息女・錦の前は、髪の毛が逆立つ奇病に悩み、許婚のもとへの輿入れが延びている。
- 演目解脱題名の「解脱」は、この世への執着を解いて悟りに至ること。死してなお晴れぬ景清の怨念が主題とされる。
- 演目蛇柳高野山に伝わる「蛇柳」の伝説に基づくとされる、嫉妬と怨念の怪異譚である。
- 演目鎌髭鎌で髭を剃ってやると見せかけて豪傑の首を掻き切ろうとするが、どうしても切れない——不死身の力を見せる趣向の荒事である。
- 記事 · 2026『勧進帳』超入門 — 初めてでも楽しめる3つの入口『勧進帳』は、兄に追われて北へ逃げる源義経の一行と、正体を見破りながらも通す関守・富樫の物語。筋を全部知らなくても大丈夫。弁慶の「嘘」、富樫の「沈黙」、幕切れの「飛び六方」という3つの入口さえ押さえれば、初めての観劇でも十分に楽しめる。
- 記事 · 2026映画『襲名』を観る前に知っておきたい3つの言葉映画『襲名』を深く味わう鍵は、「襲名」「名跡」「成田屋」という3つの言葉にある。名前を受け継ぐとはどういうことか——それぞれの意味と背景を5分で押さえておけば、スクリーンの向こうで起きていることの重みが、まったく違って見えてくる。
- 記事 · 2026襲名とは、名前を継ぐことなのか。襲名とは、先人の名を受け継ぎ、新しい名で舞台に立つこと——制度の説明はそれで足りる。だが名跡には、芸と当たり役と観客の記憶が何代分も積もっている。この記事では、確かめられる事実と、編集部の解釈をはっきり分けたうえで、この問いを考える。
- 記事 · 2026荒事とは — 江戸が生んだ、力の様式美荒事は、江戸歌舞伎が生んだ豪快な演技様式。隈取、誇張された衣裳、大見得——その荒々しさは乱暴さではなく、悪を払う「力の様式美」として磨かれてきた。初代市川團十郎が創り上げたとされ、いまも市川宗家(成田屋・市川團十郎家)の芸の核にある。
- 記事 · 2026初めての南座 — 京都で歌舞伎を観るためのガイド京都・四条大橋のたもとに立つ南座は、歌舞伎発祥の地と伝わる四条河原に最も近い劇場。アクセス、チケット、服装、幕間の過ごし方——初めての観劇で迷いやすいポイントをこの1本にまとめた。2026年10月の市川團十郎特別公演の前に。
- 記事 · 2026『しがねえ恋の情けが仇』— 名台詞から入る江戸の粋歌舞伎の名台詞は、意味が全部わからなくても耳に残る。『與話情浮名横櫛』の与三郎が語り出す「しがねえ恋の情けが仇」は、その代表格。七五調の音の心地よさを入口に、江戸の粋と、この芝居の楽しみ方を案内する。
- 記事 · 2026KABUKUとは — 傾いて、生きる「かぶく」は「傾く」——まっすぐから、あえて外れるという古い日本語。安土桃山から江戸初期、常識の外側を派手に生きた「かぶき者」がこの名で呼ばれ、歌舞伎の語源になったとされる。その歴史の事実と、現代の解釈を、はっきり分けて書く。
- 映像 · 2026歌舞伎はなぜ「難しそう」なのか?「60秒歌舞伎Q&A」第1回の企画。歌舞伎を知らない聞き手が、いちばん素朴な疑問——なぜ「難しそう」と感じるのか——をそのままぶつけ、難しい言葉を使わない答えを引き出す。長尺の対話撮影から60秒に切り出す構成を想定し、質問設計と撮影日程を準備中。公開時には全文文字起こしを併載する。
- 映像 · 2026KABUKI者 — かぶいて生きる。自分らしく生きる人、人生の正念場を越えた人、その人だけの「十八番」を持つ人と團十郎が語り合う対談ドキュメンタリーシリーズの立ち上げ企画。真面目一辺倒にせず、映像的な驚きと短尺切り抜きを前提に設計する。第1回のゲストと収録形式は選定中で、確定し次第このページを更新する。
- 映像 · 2026KABUKI Emotions — FURY1動画1感情・原則7秒の国際向けショートシリーズ、そのサンプル第1弾の企画。画面に置く言葉は英単語「FURY」の一語だけ。0〜1秒で感情ワード、1〜5秒で身体表現、5〜7秒で見得へ至る構成を予定し、台詞も説明も使わずに歌舞伎の身体だけで感情を伝える。One Emotion. One Pose. One Story.
- 映像 · 2026團十郎から学ぶ — 10分の対話 #1聞き手が10分間、十三代目市川團十郎に問いを重ねる対話シリーズの第1回企画。一度の撮影から本編動画、Shorts、音声、記事へ展開する運用を前提に、公演前後や移動の合間など「撮れる時に撮る」方針で準備している。テーマ候補は稽古、身体、継承など。発言内容は撮影後、本人確認を経て公開する。
- ボイス · 2026公演前の心境開演前の楽屋で、いま何を思うか。公演を目前にした時間の心境を1〜2分の声で残すテーマ枠。収録は公演スケジュールに合わせて行い、公開時に全文文字起こしを併載する。
- ボイス · 2026移動中の気づき巡演や取材の移動時間に浮かんだ考え、土地ごとの発見を、その場の声で短く残すテーマ枠。「撮れる時に撮り、話せる時に残す」方針のもと、移動の合間の5分を収録にあてる。
- ボイス · 2026個展によせて絵、押隈、劇場写真——舞台の外の制作について語る声を残すテーマ枠。なぜ描くのか、なぜ誰もいない劇場を撮るのか。作品と制作の背景を、展示の機会に合わせて収録する。
- PROJECTABMORI森も芸も、未来へ渡す。
- PROJECTKABUKI Emotions7秒で、感情は国境を越える。
- PROJECT世界の伝統芸能との交流伝統と伝統が、出会いなおす。
- PROJECT未来の盆踊り観る芸能から、ともに踊る文化へ。
- PROJECT語り部プログラムファンは消費者ではなく、文化を運ぶ人。