歌舞伎D-13

wagoto

和事

わごとthe soft, romantic acting style of Kamigata

INSTANT ANSWER一撃回答

上方で生まれた柔らかく優美な演技様式。恋する男の繊細な心情をつややかに描き、江戸の荒事と対をなすとされる。

和事は、恋愛の場面を柔らかく優美な身のこなしと台詞で見せる演技様式である。元禄期の上方で発達し、初代坂田藤十郎が大成したとされる。『廓文章』の伊左衛門のように、零落してもなお色気を失わない若旦那の姿に、その神髄がよく表れている。

舞台で和事を味わうなら、『廓文章』の吉田屋の場がその入り口となる。勘当された伊左衛門は、紙衣と呼ばれる紙の着物をまとって恋人・夕霧のもとを訪れる。高貴な生まれの者が零落した姿で現れる趣向を「やつし」といい、みすぼらしい身なりと御曹司らしい品や色気との落差にこそ、和事の柔らかな演技がもっとも輝くとされる。

江戸で荒事が育ち、上方で和事が磨かれた——この対をなす二つの様式は、歌舞伎の演技の両輪である。市川團十郎家の荒事を味わううえでも、和事はその鏡となる存在であり、『助六』の主人公には荒事の勇壮さに和事の色気が溶け込んでいるとされる。

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SOURCES

出典・監修

執筆
D-13編集部
監修
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公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年8月16日(日)