歌舞伎D-13

sewamono

世話物

せわものplays of everyday townspeople's life

INSTANT ANSWER一撃回答

江戸時代の庶民の暮らしや市井の事件を描く演目の総称。恋と義理に揺れる等身大の人間を、身近な言葉と風俗で写し取る。

世話物は、江戸時代の庶民にとって同時代の話題——市井の事件や風俗を扱った演目の総称である。武家や公家の世界を描く時代物に対する言葉で、恋と義理の板挟み、金の苦労といった等身大の人間模様を、当時の暮らしそのままの言葉と姿で描き出す。中でも写実的な演出の濃いものは生世話物と呼ばれる。

世話物の名台詞としてまず挙がるのが、『與話情浮名横櫛』源氏店の場、三年ぶりにお富と再会した与三郎の「しがねえ恋の情けが仇」で始まる長台詞である。七五調の心地よい調子に恨みと未練が乗る屈指の聞かせどころで、昭和の流行歌「お富さん」の下敷きになったとされるほど、世代を超えて親しまれてきた。

世話物の魅力は、様式の中に息づくなまなましい人間のリアルにある。市川團十郎家も荒事一色ではなく、世話物の名作『與話情浮名横櫛』は初演の与三郎を八代目團十郎が勤めたとされる、市川宗家と縁の深い演目である。2026年12月には歌舞伎座で十三代目が与三郎を勤める。

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