歌舞伎D-13

oshiguma

押隈

おしぐまa print of kumadori makeup pressed onto cloth

INSTANT ANSWER一撃回答

舞台を終えた役者が、顔の隈取を布や紙に押し当てて写し取ったもの。その日、その役を生きた身体の記録として残される。

押隈は、舞台を終えた役者が、顔に残る隈取を絹や和紙に押し当てて写し取ったものである。同じ役でも、その日の化粧、汗、舞台の熱によって一枚ごとに表情が異なり、二つとして同じものは生まれない。

贈られた押隈は表装され、掛軸や額に仕立てて飾られてきたとされる。名優の押隈は時代を超えて残り、明治の名優・九代目市川團十郎が明治20年(1887)に残した押隈は、今日も文化遺産として大切に収蔵されている。一枚の布に、百年以上前の舞台の熱がそのまま封じ込められているのである。

古くから贔屓への贈り物や記念として愛蔵されてきた、「その日その役の身体の記録」である。十三代目團十郎の個展でも押隈は作品として展示され、舞台と美術をつなぐ存在になっている。

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出典・監修

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年8月16日(日)