歌舞伎D-13

kudoki

クドキ

くどきthe lyrical lament of a female character

INSTANT ANSWER一撃回答

義太夫狂言や舞踊で、女性の登場人物が切ない心情を切々と訴える場面。女方が中心となる聞かせどころ・見せどころ。

クドキは、義太夫狂言の中で女性の登場人物が自らの心情を切々と訴える場面をいう。多くの義太夫狂言では主役は立役だが、クドキでは女方が演技の中心となり、感情を前面に出しながら、三味線や竹本の語りに合わせて舞踊に近い様式的な動きを見せる。

クドキはもともと、平曲・謡曲・浄瑠璃など日本音楽の楽曲構成の単位を示す言葉でもあり、民謡や歌謡の形式名にも用いられる。歌舞伎舞踊のクドキでは、たいてい切ない女心が描かれ、抑えた動きの中に感情の起伏を畳み込む女方の芸の粋が凝縮される。

クドキの名場面として名高いのが、『艶容女舞衣』の「酒屋」である。行方の知れない夫を案じるお園が「今頃は半七つぁん、どこにどうしてござろうぞ」と切り出すクドキはこの一幕の眼目とされ、抑えた姿から想いがあふれ出す女方の至芸として、人形浄瑠璃とともに歌舞伎でも大切に演じ継がれている。

クドキは特定の家に属さない、歌舞伎全体の演出の言葉である。荒事の「動」を家の芸とする市川團十郎家の舞台とは対極にある「静」の見せ場であり、この両極がそろってはじめて、歌舞伎という劇の振幅の大きさが見えてくる。

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