歌舞伎D-13

tachiyaku

立役

たちやくmale roles and the actors who play them

INSTANT ANSWER一撃回答

歌舞伎で男の役、またはそれを専門に演じる俳優のこと。女方と対をなし、狭義には敵役に対する善人の男役を指す。一座の中心を担う存在とされる。

立役は、歌舞伎における男の役、およびそれを専門に演じる俳優を指す言葉である。座って演奏する「地方」に対し、立って演技する「立方」から転じたとされる。女方と対をなす言葉であり、やや狭い意味では、敵役に対する善人の男役を指す。

立役の芸はさらに、江戸で育った勇壮な「荒事」、上方の柔らかみのある「和事」、正義感と思慮分別に富む「実事」などに分けられる。立役は一座の中心的な存在とされ、多くの場合、座頭を務めてきた。

舞台で立役の芸を堪能するなら、歌舞伎十八番『勧進帳』の武蔵坊弁慶が、代表的な大役として知られる。関守富樫との緊迫した山伏問答、白紙の勧進帳を朗々と読み上げる場面など、力と知略と忠義を一身に体現する立役の魅力が、一幕に凝縮されている。

この言葉は、劇場の外へも広がっている。物事の中心となって活躍した人を指す日常語「立役者」は、一座の中心を担う立役に由来するとされる。優勝の立役者、成功の立役者——現代の新聞やニュースの中にも、歌舞伎のことばが生きている。

市川團十郎家は、江戸歌舞伎を代表する立役の家系である。初代が創始したとされる荒事は立役の芸の柱であり、十三代目市川團十郎白猿も、襲名披露で『助六』を勤めるなど、この系譜に連なる当代の立役である。

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